上の図は各自の仕事の腕前(スキル)と組織変革には密接な関係があることを示しています。 まずはグラフの説明から。 2007年にNEC東北さんからご相談がありました。過去二回にわたり間接部門の生産性向上と長時間労働対策を生産部門で実績をあげたコンサルタントの先生の指導の下取組みをしたが、生産部門では成果を出せるコンサルタントも間接部門では全くと言っていいほど成果が出なかった。二回目に先生を変えて取組みをしたが成果が出ないどころか逆に社内の雰囲気は悪くなり、散々な結果となってしまった。間接部門での生産性向上は難しいと諦めかけたところ、WEBで今までの取組みと真逆の取組みを提唱している貴協会を発見し、駄目もとで依頼しましたと正直にお話いただきました。 早速、以下のことを条件にお仕事をお受けしました。 @強制的な取組みは一切しない。 A各自のスキル状態を把握するために全社員のスキルを診断する。 B処方を部門ごとに提示するが、部門内でも強制的な取組みはしない。 C仕事のしくみを取組みの柱とする。 D具体的には生産性向上や長時間労働対策ではなく各自のスキルアップにフォーカスする。 そのスキルアップの取組み約二年間で各従業員のスキルが大幅に向上し、結果として生産性向上と長時間労働対策が実を結びました。 この事例から考察できる事は、各自のスキルアップが組織的に大きく関わっているという極めて当たり前のことです。 しかし、残念ながらこの当たり前のことを測定する術が小協会の業務診断が開発されるまではなかったといえます。NEC東北さんの事例以外でも、5,6級と入門の人の割合が50%以上あるといかなる組織的な取組み(水曜ノー残業)も成果を出せないことがわかってきました。 これはスポーツにたとえると大変分かり易くなります。5級以下の人には申し訳ありませんが、5級以下は野球で言えば、満足にキャッチボールの出来ない状態、サッカーで言えばパスやトラップが出来ない状態と考えて下さい。チーム内にそんな選手が半分以上いたら試合に勝てるわけがありません。 今までにやったことのない新しい取組みをする(水曜ノー残業も含めて)のであれば、その取組みに参加する人が今までと同じでその取組みが上手くいくほど世の中は甘くないということです。どうも甘く見すぎている人が多いように私には感じます。 ここは真摯に診断結果と正対し、少しづつでもスキルアップすることに全力をあげてください。私も全力で支援いたします。 ちなみに日本企業における5級以下の人の割合は60%超です。当方にデータがあるということは長時間労働やワークライフマネジメントに興味のある企業であることを考えると日本全体の実態は70%程度かそれよりも悪いのではないかと推察しています。それを基に今回の三重県庁の5級以下の割合は55%ですから、かなり優秀といえます。しかし、50%を切っていないので日本標準では優秀でも、このままでは成果は期待できません。各職員さんのちょっとのスキルアップが望まれるところです。 |
| 1)スキルアップ(腕前をあげる)の二つの道 | 2)スキルとストレス | 3)スキルと業務変革 | |