◎2009/1/22発行
□仕事を変えよう□
***アクティブヒアリングの勧め***
心理療法やカウンセリングで、最も基本的かつ重要な行為とされているのが、「聞く」ということです。しかも、ただ聞けばいいというのではなく、積極的に聞くというスキルが、療法士やカウンセラーの絶対条件とされています。
そのスキルとは、相談者に肯定的配慮を示し(相手を受け入れる)、気持ちを楽にさせる、共感的に理解する(相手の立場で考える)、相手の言葉を繰り返して言いたいことや感情を明確にする、相手が自発的に問題解決に向かうよう促す、などです。
このスキルは、実はビジネスにおいても有効ですし、とくにリーダーにとっては、チームの生産性向上を実現するための、極めて有益なスキルなのです。ビジネスにおけるアクティブヒアリングでは、四つのポイントがあり、1つめは、すでに説明しましたが、「うん、そうだね」の言葉で、相手の立場や状況を理解していると伝えること。
二つめは、相手が楽に話ができるように配慮すること。たとえば、話もそこそこに「○○すればいいじゃないか」「君は○○だから、成績が伸びないんだ」と、自分の意見を押しつけたりしない。三つめは、話を導いてあげること。自分の立場を説明するあまり、話が進まない、脇道に逸れてしまうことも、よくあります。「その後は、どうするの」「さっきの○○の問題は、これからどうなるの」などと質問、奨励の言葉を入れて話を進め、修正する必要があります。
4つめは、具体的に聞くこと。相手に気を使うあまり、「調子はどう?」などと、曖昧に聞く、もしくは曖昧にしか聞けない人が実際には多いものです。これでは、課題・改善点を自覚し、その解決法に向き合うことができません。ご近所同士の挨拶なら、これでも結構ですが、ビジネスコミュニケーションの目的は、目標を達成するための共通認識を実現することなのです。言いっぱなし、聞きっ放しでは、コミュニケーションにはなりません。
●コミュニケーションスキル
聞く(45%) > 話す(30%) > 読む(15%) > 書く(10%)
●アクティブヒアリング
Point1 共感(うん、そうだね)
Point2 配慮(働く:周りがラクできる)
Point3 誘導(導き)
Ponit4 具体性(調子はいいか? ではなく ○○の件はどうなった?)
=「図解 仕事ができる人のタイムマネジメント」東洋経済新報社刊p170より引用=