◎2010/3/16発行
「文字にする心得」(2010提言2)
お客様からの困った問合せがまだ続いています。書籍などの文字は怖いもんだなあとつくづく感じています。
「御社が提供なさっているタイムマネジメントのノウハウはオリジナルですか?」という問合せが数件届いています。
こんな問合せは今までになかったことです。
「もちろんです。オリジナルの理論とノウハウです。セミナーや講演でお話しさせていただいている具体的な中身や書籍やWEBで紹介している具体的なスキルも全てオリジナルです。」
「そうすると、今度ダイヤモンドさんから出版された本、タイトルもそちらで出している『最強の時間力』に酷似してますが、本の冒頭もそちらのセミナーで聞いたことに酷似してますが、たまたまですかねえ?」とお客様。
「そんなに似てますか?」と私。
「ええ。先生のセミナーの流れと本の説明の展開が酷似してます。申し訳ないですが、御社よりバックにアメリカの大手のコンサル会社がついているので、御社が真似したかと思ってしまいました。」
「それは残念。うちは組織こそ小さいですが、タイムマネジメントの理論とスキルについては世界のどこに行っても勝負できると思ってます。今までも大小問わず同業者の方々には随分と貢献してきたと思いますよ。」
なんて問合せはまだ良しとして、
「ご提供いただいているノウハウの知的所有権の問題はありませんか?」なんて質問になってくると穏やかには行きません。
正直むかついて来ます。私も生身の人間ですから。
このメルマガもそうですが、概念や考え方を文字にして不特定多数の方々にその情報を伝達することを生業としている場合、文字が独り歩きすることを考慮し、最大限の責任を取れる姿勢だけは示すべきだと思います。
つまり、出典を明らかにする、データなどは裏付けを取るなどのごくごく当たり前のことです。
どうもビジネス書全般に言えることですが、学術論文と違いそのあたりがあいまいになっているように思います。
そんなことがビジネス書の品位や信用性を貶める結果になっているのが、とっても残念です。