第9回 三つのスキル(タイムマネジメントはスマートマネジメント)

チーム員とチーム力量査定
<ポイント>
・現場を強化する力(スキル)があるか
・現場を強くするには何が必要か?
1.目標達成には力(スキル)が必要。
2.完全な個人・チームはどこにも存在しない。
3.日々の仕事をしながら力量を上げるしくみが大事。
4.現場力強化はセルフマネジメントの主要部分。

個人とチームの3つのスキルの評価

長所の伸展、弱点の補強(育成方針)

チーム全体の3つのスキルの評価

長所の伸展、弱点の補強(チーム運営方針)

強く、戦える個人とチームづくりへ

成果を導くスキル

コミュニケーション

仕事のすすめ方

専門知識
個人とチーム チームの力量

関連セクション

<仕事を解剖してみよう>
このメールレクチャーでは、仕事を「目標達成のための、自分と他人との共同作業」と定義しています。
しかし皆さんの中には「そんなことはない、ひとりでやる仕事だってある」と反論する人もいるでしょう。例えば、業務日報などを例に挙げて。確かに日報を書くのは、“自分ひとりでやる仕事”です。しかし日報という仕事は、ただ書かれただけでは完結しません。日報を上司が読み、内容によっては書いた本人に新たに指示したり、新たな営業戦略立案の糧になったりと、何らかの形で次の仕事にフィードバックされて始めて、日報という仕事の目的が達成されたことになるのです。
日報という仕事の主体は“自分”ですが、自分の好き勝手に何をどう書いても良いというものではありません。上司という他人が読むゆえに、他人が読みやすい字で書き、他人が読みやすいように決まった書式で書き、他人と理解しあえるように何を書くかも決められている。つまり、他人との共同作業なのです。
また仕事には、主体が自分だけではない、“他人と共同でやる仕事”もあります。会議や打ち合わせ、お客さんとの商談などが、それです。この2つの仕事は双方向的、双補完的な関係にあります。報告書や企画書といった、「自分一人」でやる仕事は、会議や商談という、「他人と共同」でやる仕事のための準備という要素もあります。その会議や商談はさらに、次の日報や提案書という、自分一人でやる仕事の材料ともなります。
すべての仕事には、自分以外の“他人”が関わっています。そして仕事の種類によって、他人の関わり方が違ってくるのです。営業マンが自社の都合を押し付けるだけでは、お客さんとの商談はうまくいかない。相手の要望を聞き、時には相手の都合を尊重しなくては、双方が納得する接点が見つけられないこともある。つまり、自分と他人とのバランスをいかに上手にとるかが、重要なのです。

<もう一度、仕事を解剖してみよう>
皆さんは日々、情報処理(コミュニケーションマネジメント)と業務処理(ナレッジマネジメント)をこなすことで、仕事を遂行(捌いています)しています。
例えば、企画書を作成する場面を想像して下さい。上司の「〇〇の企画書を頼むよ」との指示で仕事が始まります。これは情報の入手です。次いで企画書を書き上げますが、これが業務処理です。書き上げるまで、上司との間で進捗状況や内容の確認などの情報交換と業務処理が行われ、最後に「終わりました」という上司への情報の発信で仕事が完了します。情報処理と業務処理によってひとつの仕事が完了するという仕組みは、会議でも書類づくりでも、どんな仕事にも共通するものです。
業務処理に必要なスキルは、「仕事の捌き方」の知識と、専門知識の2つです。仕事の捌き方の知識とは、仕事のさまざまな仕組みを考察する中から導き出したものです。社長にも一般社員にも、営業マンでも経理担当者にも、共通して必要となる知識です。そして専門知識とは、社長や部長など、あるいは営業マンや経理担当者など、それぞれの役職や職種の仕事をするのに必要な、その分野に特有の知識です。
3つのスキルの関係は、パソコン・システムのアプリケーションとOSの関係に例えるとわかりやすいでしょう。ワープロのアプリケーションを搭載すれば、パソコンはワープロになってくれますし、ゲームソフトを搭載すれば、ゲーム機になってくれる。このアプリケーションに相当するのが、専門知識です。営業の専門知識を身につければ、営業マンの仕事ができます。しかし、アプリケーションだけでは、コンピュータは動きません。いろんなアプリケーションに対応してパソコンを稼動させる、OSを搭載して初めて、パソコンは有効に稼動するのです。このOSに相当するのが、仕事の捌き方の知識とコミュニケーションスキルです。

<3つのスキルと個人と組織>
優先順位の手法、仕事の“開始”のマネジメントなどは、すべて仕事のさばき方の知識です。そして皆さんが、この仕事のさばき方の知識と専門知識、コミュニケーションスキルを自家薬籠中のものとした時、生産性は飛躍的に向上するでしょう。
皆さんの中には、「自分ひとりが頑張ったって、会社そのものが変わらなければ、何も変わらない」と考える人がいるかも知れません。従来のマネジメントは、組織論的なアプローチのみでした。経営トップの方針をいかに組織に徹底させ、その方針に沿った目標の設定と管理をいかに行うかが、マネジメントの主眼とされていたのです。こうしたマネジメントの下では、個人は組織という大きな歯車を回すために、懸命に回り続ける小さな歯車でしかない。小さな歯車が多少動いたところで、大きな歯車がどれほど動こうか。
しかし、本トレーニングが考えるマネジメントは、個々の職員からの意識を吸い上げ、情報やノウハウを収集し、さらに個々の社員に還元する中で、会社の進むべき方向性を提示するものなのです。こうしたマネジメントの下では、2つの歯車の関係は位相を変え、社員が変わるだけで、会社をも変革させうる関係となるのです。
社員が変わり、会社が変わるためには、それぞれの役割分担があります。専門知識の修得は個人が果たすべき役割ですが、その修得が容易にできるよう、多種多様な専門知識を集積しておくのが組織の役割となります。仕事のさばき方の知識、コミュニケーション・スキルの修得も社員の役割ですが、その知識を会社ルールとし、会社全体に共通の仕事のさばき方が実現できるようにし、IT化を進めてコミュニケーションの円滑化を図るなど、環境整備するのが組織の役割です。

チーム力査定シート

<作業の考え方>
@チーム力とは構成員の力量と職場環境によって決定される
A職員の力量の総和と、職場環境をチャート化しイメージで捉えられるようにする
B力を入れるべき分野がはっきりし、方針も作り易くなる
C定期的にチェックすることでチームの成長も良くわかる
<作業の方法>
@各職員のコミュニケーションスキル、仕事の進め方スキル、専門知識を5段階に評価し、全体の平均を出す
A職場環境として、コミュニケーション環境、リーダーシップ、ノウハウ集積共有状態(ナレッジデーターベース)を5段階評価する
B以上6点を上図にプロットし、チームの強み、弱みを明確にする
C工夫して、以上が実現できる自分にあった方法を開発する

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