第7回 六つの仕事(優先順位)(タイムマネジメントはスマートマネジメント)

優先順位と中断対策
<ポイント>
・今やりたいことは何か?(先にやるのは何か?)
・中断は必ず発生する。如何にダメージを少なくするか?
1.2割の大事な仕事を常に把握しておく(一日の一番大事)。
2.その仕事のための時間を予め確保する。
3.その時間だけは中断をしない仕事の態勢をつくる。

中断は仕事の生産性を低下させる要因

受けざるを得ない中断もある

対処方法を身につける
不要な中断を避ける職場環境を作る
パレートの法則・・・優先順位の2割の仕事をこなすことにより、仕事全体の8割が達成できる

中断によるダメージ
中断の対処
今やっている仕事と中断(してやる仕事)との優先順位づけにより判断


中断(してやる仕事)の
           対処優先順位
高い すぐに対処
同じで短時間 すぐに対処
同じで同時間 後で対処
低い 後で対処

関連セクション

<事前にわかる仕事と突発の仕事>
今抱えている仕事を書き出してください。もちろん皆さんは「すべて」を書き出すことができるかもしれません。しかし、それ以外にも、皆さんがやらざるを得ない仕事が存在するのを、お気付きですか。
毎日、その日のうちに終えられる心づもりで仕事の予定をたてるのに、実際にはいつも残業を余儀無くされるという人は多いはず。何故、こんなことになるのでしょう?
あるいは、予定していた仕事を、「後で落ち着いてやろう」などと考えて、残業したり、休日出勤することもあるはず。休日出勤だと、何故落ち着いてできるのでしょう?
おそらくその答えは「邪魔が入るからさ」「休日なら邪魔されずにすむ」というものでしょう。突然、お客さんから寄せられるクレームの電話への対応、上司から突然言い付けられる仕事、これらが予定していた仕事の邪魔をしてしまう。つまり、皆さんが毎日、こなしている仕事は、“事前にわかる仕事”だけでなく、“突発的に生じる仕事”もあるのです。生産性向上のためには、大事な事前にわかる仕事が、突発の仕事によって阻害される度合いを軽減しなければならないのです。
突発の仕事は、いつ起きるか、どんな仕事かもわからないんだから、対処のしようがない――そんな諦めの気持ちを持つのは間違いです。実は、事前にわかる仕事をきちんと把握していれば、突発の仕事が生じても、1日の予定は混乱せずにすむのです。
突発の仕事が生じた時、まず判断すべきは、そのとき手掛けていた仕事(事前にわかる仕事)と突発の仕事の優先度です。当然、いずれか高い方を選択します。優先度が同じなら、投下時間によっていずれを優先すべきか、決まります。つまり大切なのは、事前にわかる仕事の優先度、投下時間を把握しているか、どうかなのです。事前にわかる仕事を適確に把握できる人なら、突発の仕事も、瞬時に優先度、投下時間を把握できるはずです。

<生産性を左右する6つの仕事>
優先順位を決める手法として、“今自分がやる仕事”をAとし、“後で自分がやる仕事”をB、“他人でもいい仕事”をCとするグループ分けを紹介しましたが、しかしこれは“事前にわかる仕事”だけを分けたものです。仕事には“突発の仕事”もあります。
そこで突発の仕事をXとし、同じようにグループ分けして下さい。つまり、AXを“突発の仕事で、今自分がやる仕事”、BXを“突発の仕事で、後で自分がやる仕事”、CXを“突発の仕事で、他人でもいい仕事”とします。ところで、読者の中には、仕事を6つに分けることに何の意味があるのかと、いぶかる人もいるかも知れません。
突発の仕事には、実に怪し気な魔力があります。お得意先からの電話、上司の頼み事というだけで、「これはすぐに処理しなきゃいけない仕事だぞ」と思い込んでしまう人が多いのです。つまり、突発の仕事をすべて、今自分がやる仕事だと思ってしまう。その時、どういう事態が生じるか。
あなたがAの仕事をしていたなら、そのまま仕事を続けるでしょう。またCの仕事をしていたなら、その仕事を誰かに任せてしまえばいい。いずれにしても、あなたの仕事にダメージはありません。しかしBの仕事をしていたなら、その仕事は後回しにされてしまいます。ところが、このBの仕事こそ生産性向上のカギとなる仕事です。つまり、突発の仕事に振り回されている限り、生産性の向上など期待できない。この落とし穴に陥らないために、突発の仕事にも3つの仕事があることを、知っておかなければならないのです。
突発の仕事がBXなら、慌てて対処することはないし、CXの仕事なら、ただちに誰か他の人に委任すればいい。あなたがどちらの仕事を優先させるべきか悩むのは、AXの仕事が生じた時だけ。それを知っておくだけでも、大切なBの仕事を意味なく犠牲にしてしまう事態を、かなりの程度、回避できるようになるはずです。

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