業務基礎スキルって聞いたことありますか?
 「業務基礎スキル」と「業務基礎スキル診断」導入のおススメ
                                                 日本タイムマネジメント普及協会
                                                          理事行本 明説
                                                           2016年3月1日
1.はじめに
  「業務基礎スキル」って言葉は聞いたこともないし、なんか面倒くさそうと感じている人が
  ほとんどだと思います。
  では、次の質問にチェックしてみてください。

  一生懸命やっている割には、成果が乏しい
  仕事の成果は出ているが、いつもストレスが高い
  まわりからはあてにされているが、自分の時間が欲しい
  まわりの人と、うまくかみあっていないような気がする
  もっと上手に仕事ができるような気がするが、その方法がわからない
  長時間労働を何とかしたい
  仕事は多いし、難しい
  会社やチームの方針がコロコロ変わり、対応に苦慮している
  上司の指示が良くわからないことがある
   頭をかち割りたいと思う部下や後輩がいる

   チェックが三つ以上になった人は、「業務基礎スキル」が欠乏しているせいかもしれません。
  チェックが「0」の人は、直ちにこのサイトからご退出ください。
  チェックが「1か2」の人は、ここから先を読むと一気にマネジメントスキルが向上します。
  では、先に進みます。
 2.「業務基礎スキル」と「業務実務スキル」
  「業務基礎スキル」だけでも十分という人には申し訳ないですが、
  「業務実務スキル」という言葉もご紹介します。
  仕事を処理するための技術は大きく二つあると考えてみてください。
  スポーツも仕事も「頭を使い」「体を動かし」て、結果を求めるという点では一緒です。
  この「頭を使い」「体を動かす」が技術(スキル)です。
  野球とサッカーが同じ種目だと思っている人はまさかいないと思います。
  チームの人数も違うし、ルールも違う。まったく別物のスポーツ、競技です。
  野球独特の動きやサッカー独特の動きが「業務実務スキル」です。
  野球やサッカーに共通する「走る」「飛ぶ」「判断する」などが「業務基礎スキル」です。
  こう考えると全てのスポーツに共通する「基礎スキル」とそのスポーツ独特の「実務スキル」
  からスポーツの技術(スキル)はなりたっていることがわかります。
  仕事も同じだといえると思います。どんな仕事にも必要な基礎スキルとして
  「業務基礎スキル」が、その仕事に特有な実務スキルとして「業務実務スキル」があると
  考えてください。
  パソコンでいえば、OSに当たる部分が「業務基礎スキル」でアプリケーションの部分が
  「業務実務スキル」と見ることもできます。
   仕事で成果を出すには、スポーツで成果を出すのと同じように「業務基礎スキル」と
  「業務実務スキル」の両方が必要です。
  しかし、ほとんどの人は「業務基礎スキル」の発想すらないと思います。
  それが、仕事での情報共有などが進まない根底にあると考えています。  
 3.「業務基礎スキル」の発想から得ることができたホワイトカラーの生産性の指標の数々
   「業務基礎スキル」の発想から「業務基礎スキル診断」を開発する(1994年)ことができました。
   残念ながら「業務実スキル診断」の開発は、あまりにも多岐にわたるので困難です。
   しかし、「業務基礎スキル」は誰が行う仕事にも、どんな仕事にも当てはまる共通部分なので
  「業務基礎スキル」のロジックさえしっかりしていれば、診断の開発は容易でした。
   この「業務基礎スキル診断」の実施件数が2万件を越した2012年に過去のデータを
   精査してみることにしました。
   その結果、次に紹介するようなホワイトカラーの生産性にかかわるいくつかの指標を
   得ることができました。たぶんこのデータは世界的なレベルでもはじめてのことではないか
   と思います。では、その指標のいくつかをご紹介します。
   1)「業務基礎スキル」のスコアの悪い人にストレス過多の人が集中
   2)「業務基礎スキル」スコアの組織的な分布でスキル下位の人が半数を切らないと
     企業変革などに成果が出ない
   3)「業務基礎スキル」が年々低下傾向にある
   4)「業務基礎スキル」をささえる大項目は「専門知識」「仕事のさばき方」
     「コミュニケーション」の三つ
   5)自分ひとりの仕事(デスクワーク)が30%を切ると生産性が低下し始める
   6)突発の仕事が30%を越すとストレスの増大と仕事の捕捉率が低下する
   7)仕事の60%以上はコミュニケーションがらみ

   などなど、このほかにもまだご紹介していないデータはたくさんあります。
   今まで難しいとされてきたホワイトカラーの生産性を向上させるための様々なデータを
  「業務基礎スキル」の発想から得ることができました。
   *「業務基礎スキル」の用語は2015年発行の「ワーク・コントロール」(CCCメディアハウス)
   から使用していますが、同一の概念は小協会設立時より「仕事のしくみ」とか「仕事のOS」
   という言葉でご紹介してきておりました。
 4.「業務基礎スキル診断」のデータからわかったとっても大事なこと
   「業務基礎スキル」の発想とそれにより開発された「業務基礎スキル診断」から得られた様々な
   データから導かれるとっても大事なことは、たった一つです。
   それは、個人(社員)の「業務基礎スキル」の向上なくして、組織(会社)の
   パワーアップはないということです。
   この至極当たり前のことは前述のスポーツの世界では常識です。各選手の力量の向上なくして
   チーム力の成績向上が望めないのは素人でもわかっていることです。
   しかし、仕事でも組織力や会社の業績向上をスポーツと同様に選手(社員)の力量の向上が
   大前提とはあまり考えられていないようです。
   その結果、キャッチボール(業務基礎スキル)もできない選手(社員)ばかりで甲子園を
   めざすようなとんでもないことがビジネスの世界では起こるのだろうと思います。

   これからの組織は、構成員である社員などの「業務基礎スキル」の動向に十分気を
   使う必要があります。
   健康には毎年健康診断をしてケアしていますが、それと同じように毎年各社員の
   「業務基礎スキル」の状態をケアしたほうがよいというのが、本論の結論です。
   ケアするための「業務基礎スキル診断」も用意しています。

   本論が気になった方は、いつでもご質問、ご相談ください。
   本論ではご紹介していない各種のデータをもってご説明にあがります。